映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観たばかりなので、その余韻が残っているうちに書いちゃおう。
Queenのボーカル・フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)が同性愛者で、エイズに感染したことが原因で亡くなったことは有名です。
実はフレディは男性だけが好きだったわけではなく、女性と付き合い、同棲していた時期があります。バイセクシャルなんですね。
そのお相手がメアリー・オースティンという女性。
フレディとメアリーは特別な関係でした。
出会ってから同棲するようになるまでは普通のカップルと同じだったのですが、フレディの男遊びが激しくなるとついに別居。
当たり前ですよね。メアリーにしたらしょっちゅう浮気されているようなものなので。
しかし不思議なのはここからで、別れてからもすぐ隣の家に住んでいたんです。
いつでも会える距離。
お互いに新しい彼氏ができて、メアリーには子供も産まれます。
ふたりは男女関係としては決別したのに、親友関係はフレディが亡くなるまで続きました。
フレディがエイズで病床の身となったときには、メアリーは看病もしています。
男と女とか、そんな軽いつながりではなく、人と人としての強い絆が二人の間にはあったようです。
フレディはメアリーについてこう語っています。
「ぼくの恋人はメアリーの代わりになりたいと言うんけど、それは無理なんだよ。メアリーはぼくの唯一の親友で、彼女だけなんだ。ぼくにとってはお嫁さん。お互いに深く信頼していて、それで満足しているんだ。」
この言葉は本心だったようで、フレディは遺産はすべてメアリーに渡すと遺書を残しており、実際にメアリーが管理することになりました。
フレディがそんなメアリーのことを想って書いた曲、
『Love of my life』はこんな曲です。
『Love Of My Life』
作詞作曲:Freddie Mercury
Love of my life, you’ve hurt me
You’ve broken my heart, and now you leave me
Love of my life, can’t you see
君が僕の人生そのものだよ、君は僕を傷つけて、
君は僕の心を壊したんだ、そして今君は僕の元を去っていく
君が僕の人生そのものだよ、君が見えない
Bring it back, bring it back,
don’t take it away from me
Because you don’t know what it means to me
戻ってきてくれ、戻ってきてくれ
僕から奪わないでくれ
だって君は知らないから、それが僕にとって何を意味するか
Love of my life, don’t leave me
You’ve stolen my love, you now desert me
Love of my life, can’t you see
君が僕の人生そのものだよ、僕を残して行かないでくれ
君は僕の愛情を奪って、君は今僕を見捨てるんだ
君が僕の人生そのものだよ、君が見えない
Bring it back, bring it back,
don’t take it away from me
Because you don’t know what it means to me
戻ってきてくれ、戻ってきてくれ
僕から奪わないでくれ
だって君は知らないんだ、それが僕にとって何を意味するか
You will remember, when this is blown over
And everything’s all by the way
When I grow older, I will be there at your side, to remind you
How I still love you, I still love you
君は覚えているだろう、この愛が吹き飛んでしまった時に
すべては途中なんだ
僕が歳を重ねた時に、僕は君のそばにいるよ、君に思い出させるために
どんなに僕がまだ君のこと愛しているか、まだ愛しているか
Hurry back, hurry back,
Don’t take it away from me,
Because you don’t know what it means to me
すぐに戻ってくれ、急いで戻って
僕から奪わないでくれ
だって君は知らないんだ、それが僕にとって何を意味するか
Love of my life, Love of my life
君は僕の人生そのものだ、君は僕の人生なんだ
ただの恋人どうしの別れじゃなくて、もっと大きい別れを感じますね。
友情、家族愛、いろんな愛を混ぜたような奇跡のようなもの。
それが失われそうになっている気持ちを歌っているように思えます。
究極の失恋ソングなのかもしれません。
1975年に発表されたQueen4枚目のアルバム『オペラ座の夜(A night at the opera)』に収録されています。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』で主演したラミ・マレックや、ブライアン・メイ役のグウィリム・リーはこの曲が一番好きだと答えているんですよ。
最後の撮影で演奏し、この映画の制作に携わった人たちとの別れを象徴するような曲だったため、関係者たちの心に特に強く刻まれているそうです。
個人的にはクイーンと言えば、ブライアン・メイのギターサウンドがめっちゃ好き。
特に『We Will Rock You』のソロはたまりません。
ブライアン・メイの作詞・作曲。
わずか2分の曲だけど、
「ドンドンチャッ!」と足を踏み鳴らして、ライブでは最高の一体感を味わえます。
ギターソロも最高にカッコイイ。
彼は自作ギター、ピックを使わずコインで演奏するなど、とてもオリジナリティがあるんですよね。
世間が持つ印象では「Queenと言えばフレディ」みたいなところもありますが、
ブライアン・メイのオリジナリティがハンパないところにも注目してほしいな。


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