これまでQueenから2曲紹介してきました。
1曲目は性を越えた愛を歌った『Love of my life』
2曲目は猫への愛を歌った『Delilah』
3曲目の今回は日本人への愛を歌った『Teo Torriatte』を紹介します。
Queenは日本が大好きなバンドとしてよく知られているんですよ。
Queenは今でこそ伝説のバンドとなっていますが、メジャーデビューしたばかりの頃はイギリスのメディアや音楽評論家から酷評されまくっていました。
そんな中で1975年4月17日に初めて行った世界ツアーで日本にやってきたのですが、日本のファンは熱狂的に彼らを出迎えました。
羽田空港に2000人の若い女性ファンが集まり、メンバーはみんな揉みくちゃにされました。
引っ張られるわ、靴が脱げるわ、大変な目に遭いました。
Queenのスタッフたちもまさか日本でこんなに人気が出ていたとは思いもしなかったので、完全に油断していたようです(笑)
ただメンバーはとても嬉しかったみたいです。
ブライアン・メイは「違う世界に来たみたいだ。どの国でもこんな歓迎は受けたことがないよ。」と公式記者会見で語っています。
自分たちの音楽性を認めてくれたことも嬉しかったとは思うのですが、やっぱり異国の地で歓迎されるのは特別な気持ちになるんですよね。
目の色、肌の色、髪の色、足の長さ、言葉、食事、すべてが違う人たちに笑顔で迎え入れられるというのは、同じ民族の人たちに歓迎されるのとは全然違った感動があります。
一発で日本人のことが好きになっちゃったんですね。
特にフレディ・マーキュリーは日本の文化を深く愛していて、6回の来日コンサート以外にも何度もお忍びで日本に足を運んでいます。
大好きな日本のアンティーク陶磁器を足利市まで買いに行ったり、小さな招き猫を買いに京都まで行ったり、新宿2丁目の『九州男』という行きつけのゲイバーに行ったり。
自宅には日本庭園を造って、そこに建てた茶室で死の直前まで作曲をしていました。
ガチで日本を愛していたのがQueenというバンドなんですね。
そんなQueenが日本愛を最大限に示したのがこの曲。
『Teo Torriatte』
読み方は「手を取り合って」
この曲、なんとサビが日本語の歌詞なんですよ。
外国人が日本語の歌詞を書くなんてほとんどないことですが、スーパービッグバンドのQueenが書いたという事実。
ヤバいです。
1976年に発表されたQueenの5枚目のアルバム『A Day at the Races(邦題:華麗なるレース)』のラストを飾る曲です。
このアルバムは本国イギリスのUKアルバムチャートで1位、日本でもオリコンチャート1位を獲得しています。
では、どんな曲なのか聴いてみましょう!
『Teo Torriatte (Let Us Cling Together)』
作詞・作曲 BRIAN HAROLD MAY
When I’m gone
No need to wonder if I ever think of you
The same moon shines
The same wind blows
For both of us, and time is but a paper moon
be not gone
僕がいなくなっても
僕が君のことを考えているかなんて不安に思うことはないよ
同じ月が輝いているんだ
同じ風が吹いているんだ
僕らふたりにとって、時間は紙に書いた月でしかないんだ
行かないで
Though I’m gone
It’s as though I hold the flower that touches you
A new life grows
The blossom knows
There’s no one else could warm my heart as much as you
be not gone
僕は去ってしまったけど、
君に触れている花を僕は抱いているような気分だよ
新しい命は成長していく
花は知っているんだ
君ほど僕の心を温めてくれる人は誰もいないってことを
行かないで
Let us cling together as the years go by
Oh my love my love
In the quiet of the night
Let our candle always burn
Let us never lose the lesson we hava learned
手を取りあってこのまま行こう
愛するひとよ
静かな宵に
光を灯し
愛しき教えを抱き
Teo torriatte konomama iko
Aisuruhito yo
Shizukana yoi ni
Hikario tomoshi
Itoshiki oshieo idaki
手を取りあってこのまま行こう
愛するひとよ
静かな宵に
光を灯し
愛しき教えを抱き
Hear my song
Still think of me the way you’ve come to think of me
The nights grow long
But dreams live on
Just close your pretty eyes and you can be with me…
dream on
僕の歌を聴いて
僕のことを考えるようになった時のように、僕のことを考えて
夜は長くなっていく
でも夢は生き続けるんだ
その可愛い瞳を閉じれば、君は僕と一緒にいられるよ…
夢を見続けて
Teo torriatte konomama iko
Aisuru hitoyo
shizukana yoi ni
Hikario tomoshi
Itoshiki oshieo idaki
手を取りあってこのまま行こう
愛するひとよ
静かな宵に
光を灯し
愛しき教えを抱き
When I’m gone
They’ll say we were all fools and we don’t understand
Oh be strong
Don’t turn your heart
We’re all
You’re all
For all
For always
僕がいなくなったら
彼らは言うだろう、僕らがバカだって、僕らは何もわかってないって
ああ強くなれ
心変わりするな
僕らはすべてなんだ
君はすべてなんだ
みんなのために
いつだって
Let us cling together as the years go by
Oh my love my love
In the quiet of the night
Let our candle always burn
Let us never lose the lessons we have learned
手を取りあってこのまま行こう
愛するひとよ
静かな宵に
光を灯し
愛しき教えを抱き
まるでフレディがいなくなった後のファンのことを想って書いたような詩ですね。
JASRACに登録されている作詞者はブライアン・メイとなっていますが、
当時Queenに直接取材をしていたミュージックライフの編集長・東郷かおる子氏によると、日本語部分はフレディが英語で作詞したものを、日本語通訳の鯨岡ちかさんが和訳したものだそうです。
参考:https://www.barks.jp/news/?id=1000068598
ある人がYouTubeの『Teo Torriatte』の動画にこんなコメントを残していました。
人は2度死ぬ。1度目は肉体の死。2度目は、皆に忘れ去られた時。
つまりフレディはまだ生きてるってことですね。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=f41jyNrnF8s
私もそう思います。
Queenの曲を聴いていると、作品の中で彼はまだ生き続けているように感じます。
この曲は日本人アーティストもカバーしていて、KOKIAや手嶌葵バージョンのものがよく知られています。
やっぱりKOKIAの美しいと可愛いが同居した歌声いいなぁ


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